2025年の自民党総裁選で新総裁に就任した高市早苗氏。このニュースは日本だけでなく、中国でも大きな注目を集めています。
中国のSNS「微博(ウェイボー)」などでは、早くも「右翼的な女性首相が誕生した」といった報道が見られ、一部の中国メディアでは高市氏を“極右”“反中派”と位置づけるような論調も出ています。
しかし、実際の中国人ネットユーザーの反応を見ていくと、そうした一面的な報道とはまったく異なる声が数多く寄せられていることが分かります。
一般の中国人からは「祝福」と「期待」の声が多い
動画では、中国語コメントの中で次のような肯定的な意見が多数紹介されていました。
- 「高市早苗さん、おめでとうございます。日本人は今こそ目を覚ますべきです」
- 「彼女が日本の政治を立て直してくれることを願っています」
- 「日本を再び偉大な国に」
- 「本当に当選したんですか?どうか約束を守ってください。国民を裏切らないで」
こうしたコメントから分かるのは、中国の一般市民の中にも、日本の政治刷新や高市氏のリーダーシップに一定の期待を寄せる層が存在するということです。
中国では長年、日本に対する報道が国家主導で行われており、政治的な視点で“反日”の空気が作られることも少なくありません。
しかし、インターネットの普及によって若者層を中心に、日本を冷静に評価する声も増えてきています。今回の高市新総裁への祝福コメントは、そうした新しい世代の意識変化を象徴しているとも言えるでしょう。
一方で、一部では「右翼的」「対中関係悪化の懸念」も
もちろん全員が好意的というわけではありません。
中には以下のような批判的コメントも見られます。
- 「彼女は右翼的すぎる」
- 「もし高市氏が首相になれば、台湾問題を巡って中国と日本は争うことになるだろう」
- 「彼女にはバランス感覚がなく、国を分裂させる恐れがある」
このようなコメントは、中国国内のナショナリズム的立場を持つ層や体制寄りの意見に多く見られる傾向です。
特に「台湾」「軍事」「歴史認識」などのキーワードが関わると、中国では政治的に敏感な話題とされており、高市氏の過去の発言がそのまま“対中強硬派”と結びつけられてしまうこともあります。
「小泉進次郎よりはマシ」という声も
興味深いのは、対立候補だった小泉進次郎氏に対して、かなり辛辣なコメントが寄せられていた点です。
「高市氏は好きではないが、小泉氏は本当に何も分かっていない。教育を受けていないわけではなく、単に頭が悪いだけだ」
とまで書かれており、中国側でも小泉氏に対しては“軽薄”“中身がない”といった印象を持っている人が多いようです。
高市政権に対する中国の見方:分裂か安定か
コメントの中には、「高市氏はバランスを欠く人物で、いずれ国を分裂させる」という意見も見られました。
これは日本国内での“強硬な保守イメージ”がそのまま中国でも伝えられていることを示しています。
一方で、別の視点から見れば、「リーダーシップのある政治家が日本を引っ張っていく」という期待感の裏返しでもあります。
つまり、中国では高市氏を「危険な右翼」と見る人と、「強いリーダー」と見る人の二極化が進んでいるのです。
結論:中国人の反応は意外にも“冷静かつ多様”
日本のメディアでは、「中国で高市氏は批判されている」と一括りにされがちですが、実際のネット上の声を見ると、祝福・称賛・批判・不安が入り混じった複雑な反応であることが分かります。
中国国内のSNSでは検閲が存在するため、政治的に敏感な発言は削除されやすいのですが、それでも「おめでとう」「日本に期待している」といったコメントが多く残っているのは象徴的です。
中国の若い世代にとっては、「日本=敵国」というよりも、「隣国で成功した民主主義国家」として興味や尊敬の対象になりつつあるのかもしれません。
まとめ
- 中国の一部メディアは「右翼的な女性首相誕生」と報道
- しかし実際のネット反応は「祝福」や「期待」の声が多い
- 小泉氏への評価は厳しく、「頭が悪い」「何も分かっていない」との声も
- 一方で「対中関係が悪化する」との懸念もあり、意見は二分
- 若い世代ほど冷静・客観的に日本を見ている傾向がある
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