本記事は、おみそチャンネルの動画の内容を分かりやすくまとめます。
1. そもそも「奈良公園の鹿問題」とは何か
奈良公園は国内外から多くの観光客が訪れる人気スポットです。そこで度々問題になってきたのが、外国人観光客による鹿への危害行為です。
SNSや動画サイトには「外国人が鹿を蹴る」「鹿に不適切なエサを与える」などの映像が数多く投稿されてきました。地元の一部住民や関係者からも「トラブルは実際にある」という証言が出ています。
「シカ発言」で公開質問状
— ひで2022真実を追求 (@hide_Q_) September 30, 2025
自民・高市氏に奈良の市民団体「ヘイトスピーチの可能性」指摘
迷惑外国人の人権を守り、日本人を苦しめる市民団体。ほんとなくなって欲しいよね。pic.twitter.com/vsyvW2GNJY
そんな中、自民党総裁選に出馬表明した高市候補が「外国人による鹿への被害」を演説で取り上げたことから、再び注目が集まりました。
2. 日テレ『news every.』の放送内容
日本テレビはこの発言を検証する形で特集を放送しました。
取材対象は次の2人です。
- 「奈良でガイドを10年している」という女性
- 「奈良公園近くで25年間飲食店を営んでいる」という男性


2人は共に「外国人が鹿に危害を加えるところは見たことがない」と証言しました。
これだけを根拠に「ネットで広がる鹿問題は誤解やデマが多い」という方向でまとめられたのです。
3. ネットで炎上した理由
放送後、ネット上では「これが検証なのか?」と大炎上しました。主な疑問点は以下のとおりです。
- 証言者が2人だけ:母数が少なすぎる。反対証言を全く取材していない。
- 肩書きと実態のズレ:「ガイド10年」と紹介された女性は、実際に奈良公園でガイドをしていたのは約2年だと指摘されました。
- 男性の証言の信頼性:「普段は店にいない」と説明される人物が“25年間の現場目撃談”を語るのは矛盾ではないかという声。
- ネット版での“カット”:放送で使われた2人のインタビュー映像が、配信版からは削除されていた。視聴者からは「都合が悪いから消したのでは」と批判が集中。
4. 「仕込み疑惑」とその真相
一部では「ガイドの女性はクライシスアクター(やらせ要員)ではないか」という憶測も広まりました。過去にテレビ番組に出演していた人物と顔が似ているという指摘や、AIでの照合結果が同一人物と出た、という噂も飛び交いました。
最低だな…テレビがコロナの時と同じくクライシスアクターを使ってヤラセで「高市下げ」をしていた模様🔥💢 https://t.co/3RbtauAGrc pic.twitter.com/SgvDV2bqt9
— ポッピンココ (@Coco2Poppin) September 30, 2025
5. なぜここまで炎上が拡大したのか
実際に鹿への危害行為が動画で残されている以上、「全く無い」と断定するのは難しいはずです。
にもかかわらず、日テレは2人の証言だけで「ネットの情報は嘘」と結論づけた。この“断定”が最大の火種となりました。
さらにタイミングの悪さも重なります。自民党総裁選を前に「高市候補の主張を潰すための印象操作ではないか」という政治的な憶測まで飛び交い、報道への信頼感を一層損ねました。
6. 筆者の見解
私が一番問題だと思うのは、「2人の証言=真実」とするメディアの姿勢です。
確かに、個人の誹謗中傷や特定は絶対にしてはいけません。しかし、メディアが一方の意見だけを取り上げて“結論ありき”の番組を作るのは、報道機関として致命的です。
テレビは未だに数百万単位の視聴者を抱える巨大メディアです。
だからこそ、「最低限の両論併記」「サンプル数の確保」「編集の透明性」が求められます。今回のように「疑惑の余地を残す構成」をした時点で、信頼を大きく失ったと言わざるを得ません。
まとめ
- 奈良公園の鹿問題は、SNSや現地から複数の被害報告が存在する。
- 日テレは“危害は見たことがない”という2人の証言だけで「ネットの噂は嘘」と断定した。
- 放送後、インタビュー部分がネット配信版から削除され、疑念はさらに拡大。
- 問題は「仕込みか否か」ではなく「報道姿勢」そのもの。
日テレの番組は「検証」とは呼べない不十分な構成でした。
もし報道機関がこうした偏った取材を続けるなら、視聴者はますますテレビから離れ、ネット発の情報へ流れていくでしょう。
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